情報収集はなぜ必要?

なぜ事前の情報収集が必要なのか?

なぜ、事前の情報収集が必須なのか?
それは、、
売り手の方が買い手よりも情報優位性が低いためです。

これは、スタートする前から既に不利な状態にあると言えます。

そもそも論となりますが、M&Aに詳しい売り手は基本的にいないはずです。
100社に1社も存在していません。
反対に買い手は情報優位性が高いと一般的には言われています。

では、それはなぜでしょうか?

1.買い手の情報優位性が高い理由

一言で表せばM&Aの経験値が高いからです。

知識・経験が既に積みあがっていると捉えてください。

売り手は初めての試みであるのに対し、買い手は基本的に経験者です。
例え買収したことが無い買い手であっても検討件数は2ケタだったりします。

なぜ買収未経験なのに知見があると言えるのでしょうか?

M&Aは一般的に約10ヵ月のプロジェクトとなることが多いのですが、
買い手の大まかなプロセスは

「初期的な検討→具体的な検討→基本合意→買収監査(DD)→最終契約→買収成立」

このような流れで進みます。

 

この「初期的な検討」だけでも2ケタの案件を見ているはずです。

そして多くの場合は秘密保持契約を締結することで、「具体的な検討」へ進めることが多いと言えます。

ここから先の「基本合意」に至るのは基本的に1社のみですので、他の買い手候補先に負けて(売り手に選ばれずに)、あるいは辞退するといった形で、ここで止まることが大半です。

 

一方で、売り手はプロセスの全てが初めてになってしまいますので、やはり情報優位性は低いと言わざるを得ないということがお分かりいただけると思います。

ただ、なんとなく「情報収集をした方が良さそうだ」ということまでは分かったとしても、具体的にどんな情報を優先的に集めていけば良いのか、検討もつかないと思います。

そこで、情報収集をすることの目的から考えて、集めるべき情報までを整理してお伝えしようと思います。

2.情報収集をする目的は?

情報優位性が低いことは分かったが、情報収集をすることで達成したいことはなんでしょうか?
一言でまとめれば、「損をしたくない」ということに尽きると思います。

もう一つ掘り下げると、
・出来れば高く売りたい
・従業員にとって良かったと思ってもらえる先と一緒になりたい
・会社を発展させてくれるような先に売りたい

このようなことが思いつくと思います。

具体的な目的はどれなのか?
というのは各人によって変わってくるところではありますが、
結局のところ、
「知識や経験が無いために損をすること」
を避ければ良いということになります。

それでは、何を知っていければ避けることができるのか?
何を知らないと損をすることになるのでしょうか?
これを4つのポイントごとに見ていきましょう。

3.損を避けるために売り手が抑えるべき情報4種類

まず結論をお伝えすると、損を避けるためには以下の4つの情報を抑えてください。
Point①売り手の事前準備
Point②依頼するM&A会社の選び方
Point③買い手の選び方
Point④専門家の選び方

3.1.Point①売り手の事前準備

ここでお伝えする売り手の事前準備とは、主に会社や事業に関することになります。
一言で「買い手が魅力を感じるための会社作り」と言えると思います。

たまに誤解される方もおられるのですが、「装飾」や「お化粧」をするというニュアンスではありません。
あくまで現時点の会社のあるべき姿や価値(強みや優位性など)を「整理」「見える化」するということです。

ほとんどの売り手様(といいますか売却をする会社)はこの点が明らかになっていません。
ご自身のことだから見えづらいこともあるのでしょう。

当社の場合は、丁寧なヒアリングを行いながら、会社のキラリと光る価値を見つけていくことになります。

特に主観ではなく、「客観性」が大事になりますので、ここを外部の我々のようなコンサルタントと一緒に探すことがとても重要です。
このプロセスを飛ばしてお相手探しに動いたところで、良いお相手が見つかる確率は低くなるということはなんとなくお分かりいただけると思います。

 

反対の立場になると見えますが、「強み」や「特徴」も「優位性」も何も無い会社と、
明確に「強み」や「優位性」といったことが打ち出されている会社
どちらを買いたいと思うでしょうか?

中には、評価には「業績の方が大事ではないでしょうか?」というご意見もあると思います。
それはそれで間違いなく正しいのですが、上記の例は「業績が全く同じ会社」の比較になります。
業績の良し悪しとは、そもそも変えることができない過去の数値ですので、フォーカスするべきポイントは別だということです。

つまり、Point①で収集するべき情報とは、言い換えると、

買い手から評価してもらえるポイントに関すること
絶対に見られる、必ず準備しておいた方が良いこと

ということになります。

3.2.Point②依頼するM&A会社の選び方

ポイントの2つ目は「M&A会社の選び方」となります。

今やM&A会社は数百社存在しており、毎週様々な会社から営業を受けている方も多いのではないでしょうか。
売却を考えているものの、どこを選んだら良いか判断基準が曖昧になっている方もおられると思います。
依頼する先を間違えると多くの場合取り返しがつかないことになりますので、とても慎重な判断が求められる局面だと思います。

よって当社では、会社売却をする上では、パートナーと呼べるほどの担当者を見つけることが一番重要になると考えます。
選ぶための基準というものはいくつか考えられます。
・料金体系
・担当者
・所属会社
・スキル
・etc.

詳しくは別記事をご覧いただきたいのですが、結論だけお伝えするとほぼ全ては「担当者」になると思います。

それは、M&Aのプロセスそのものの特徴でもありますが、担当者のスキルや業務範囲といった要素が会社売却の成否に大きく関わっているためです。

そのために料金体系や会社規模だけで判断すると痛い目に合うということです。

 

例えばHPの制作も近しいところがあります。
大手の制作会社に高いお金を払ったのに、出来はイマイチといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。
特に大手ほど経験の浅い担当者が多いのもまた事実ですので、致し方ないことかもしれません。
ただ、HP制作で失敗するならまだしも、一生に一度になるであろう会社売却を任せるかは良く考えるべきではないでしょうか。

Point②で収集するべき情報は「M&A会社を選ぶための基準」や「M&Aコンサルタントの実際の業務実態」といったことになってきます。

3.3.Point③買い手の選び方

ここも選ぶ先を間違うと損をしてしまう点です。
どういうことかといいますと、金額だけで買い手を選ぶのはNGということです。

買い手側の大まかのプロセスは、
「初期的な検討→具体的な検討→基本合意→買収監査(DD)→最終契約→買収成立」
となっています。

上で記載したように、基本合意に進むのは1社となりますから、ここが買い手にとっての最初の壁です。
ここを突破するために、最初は高い条件をちらつかせて1社に残ろうとします。
買い手は安いに越したことはありませんので、その後の買収監査の結果を持って最終契約で大きく下げた条件で契約をするといった流れです。
今でこそ少なくなりましたが、このような買い手がいないとも限りません。
このような買い手を避けるためには、やはり複数の買い手候補を比較しながら検討をすることです。

M&Aのプロセスはある程度決まっているものの、細かい部分は買い手によって変わってきます。
進め方が荒い先もあれば、丁寧な先もあります。
荒いから悪いというわけでもないのが難しいところです。

ここは事前には分からないところで、実際に動いてみて初めて分かるところです。
柔軟にパートナーのコンサルタントと調整をしながら進めていくことが肝要だと言えます。

まとめますと、このPoint③で収集するべき情報は「買い手に関する情報」といったことになってきます。
どのような買い手がいるのか?M&Aをする買い手の目的や狙い、といったことです。

3.4.Point④専門家の選び方

たまに誤解されがちなのですが、M&Aコンサルタントのことではないか?と思われる方がおられますが、そうでありません。
ここでは主に弁護士を指しています。

売り手が気を付けるべき点として、会社を売却する際の【契約書】がとても重要になります。
ただ弁護士であれば良いというわけではありません。
ご承知のように、弁護士や会計士といった士業にも得意分野・不得意分野が存在します。
特許を専門領域としている先生もいれば、離婚を専門としている先生もいらっしゃるはずです。

大事なのはM&Aに強いかどうかです。
ここを間違えると、売り手の目的である「損を避ける」といった本来の目的が達成できないばかりか、いたずらに会社売却のプロジェクトをかき回されて買い手との関係が悪くなることすらあり得ます。

実際に合った過去の事例ですが、売り手様が普段依頼している会社の顧問弁護士へ契約書のレビューを依頼したところ、M&Aで詰めるべき大事な「論点」とは全く別の、その先生が知っている箇所に注力してしまったことで、買い手側とのキャッチボールもままならなかった、という事態も起きました。

最終契約書(株式譲渡契約書など)には、例えば「表明保証」や「補償条項」といった、売却後に揉める可能性のあるポイントを一つ一つ確認し、「売り手の実態に合わせた調整が必要無いのか?あるのであればどのような文言へ修正するのが望ましいのか?」といった買い手側との交渉が必要になる重要な場面です。

よって、このPoint④で収集するべき情報は「売り手に重大な影響を与える契約」の内、特に問題になる箇所はどこなのか?といった点になります。
何も分からないのでは、専門家にも依頼できず、担当者や買い手側に伝えることもできません。
もちろん、担当者は一般論のアドバイス等は出来なければ話になりませんが、売り手自身でも多少仕入れておくべき情報です。

4.まとめ

今回は「売り手が会社売却に動く前に収集しておくべき4種類の情報」について記載しました。
その中でも、特にポイント1と2は重要になります。
ここに絞って情報収集をすることをおススメします。
当社のコンテンツサイト内を是非お読みいただきお役立ていただければ嬉しいです。